【モデル】Ditson(ディッソン)

私がここで、ディッソンと呼んでいるのは、20世紀初頭にニューヨークのディッソンチェーン【※注1】のために、マーティン社によって作られたギターで、このモデルは確か3つあったモデルの中で、一番小さいものでした。

私は数年前にこの美しいデザインを知ってから、このギターがずっと好きでした。

この極端に小さいギターは、たとえ注文のオファーが少なくても、私の好みで製作モデルの1つに加えました。

マーティン社のディック・ボーク氏(Dick Boak)【※注2】が私に、このモデルの仕様について、とても親切に教えてくれたので、かなりオリジナルに迫ったコピーモデルを製作することができました。

ただし私は、ブラジリアン・ローズウッドの充分なストックを持っていないため、このギターの1~45のバージョンは供給できませんので、何卒ご容赦下さい。

From Jack Spira(ジャック・スピラより)

【Model】Ditson
Upper bout – 220mm
Waist – 186mm
Lower bout – 290mm
Body length – 444mm
Scale length – 623mm

【※注1】ディッソン社(Ditson):
現在、マーティンギターの代表格となっているD-18、D-28、D-35、D‐45などのDシリーズは、ボストンに本社があり、ニューヨークとフィラデルフィアにも店舗を持っていたオリバー・ディッソン社というアメリカ屈指の楽器販売会社に、マーチン社がOEM供給したモデルが原型となっています。

1916年、ディッソン社のニューヨークのマネージャー、ハリー・ハント氏は低音が豊かに響きボーカルの伴奏に適したギターを販売したいという意向を伝え、フランク・ヘンリー・マーティンにOEM(発注者ブランド製品)のギターを依頼しました。

そして彼のアイデアを具体化しようと、フランク・ヘンリー・マーティンはウエスト・シェイプが浅く、厚いボディ、重厚な低音域の響きのあるオリジナル・ボディを設計します。こうして完成したギターは、ブランドの焼印をDitsonとして、ディッソン社が廃業する1920年代後半までディッソン社を通じて販売されていました。

1931年、マーティン社はDitsonモデルを自社のギターとして復活させることを決定し、正式にドレッドノートと名付けて製造を開始し、現在のDシリーズに受け継がれました。

【※注2】マーティン社のディック・ボーク氏(Dick Boak)
ディック・ボーク氏は、「マーティンを知り尽くした男」とも言われるほど、マーティン社を代表する存在として知られています。

ディック・ボーク氏のマーティン社での肩書きは、Director of Artist Relations & Publicity(アーティストの関係を保ちビジネスにつなげることや、広報関係の責任者)。

エリッククラプトンをはじめとするアーティストのシグネチャーモデルなど手がけたことで、注目を集めています。

日本のギター雑誌などにも良く登場し、まさにマーティン社の顔といっても過言ではない人です。


アコースティックギターブック31号(2010年7月)では、カリフォルニアでの一大楽器イベントNAMMショー出展の新作マーティン製品について、ディック・ボーク氏のインタビューが10ページに渡り、カラーで掲載されています。

 


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ヤングギター別冊キング・オブ・アコースティック・ギター・フィーチュアリング「マーティン」(2009年11月シンコーミュージック発行)にて、5ページに渡りディック・ボーク氏のインタヴュー記事が掲載されました。


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